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大学時代編③ オーガニックを知る

2022.03.10

大学時代編

大学1年の頃、アルバイトをしていたアジア料理屋で好きになった人がいた。その人は自分より5歳年上で、自分よりはるかにいろいろなことを知っていた大人の女性だった。はじめは憧れに近いような気持ちだった。仲良くなりたいので、一生懸命話しかけた(笑)。そしていろいろと話をするうち、菜食中心の食生活であること、またできるだけオーガニックのものを選んでいることなどを教えてもらった。いわゆる自然派志向の人だった。

はじめは「え?お肉嫌いなんすか?美味しいのに」「健康にすごい気を使ってるんすね。俺ジャンクフードしか食べてないっす」といった感じでベジタリアンもオーガニックも全く理解していなかった。他にも「テレビは見ない」とか「洗剤は自然派石鹸しか使わない」とかいろいろなことがカルチャーショックだった。しかしどうしても好きな人に気に入られたかったので、ベジタリアンやオーガニックの考え方について調べた。そして肉食の背景には飼料として穀物が大量に消費されていること、畜産のための森林伐採、過密な環境での生産などいろいろな問題があることを知り、そういった観点から肉食を減らすという考え方があることがわかった。オーガニックについても、自らの健康というだけでなく農薬や化学肥料が自然環境や生態系に悪影響を及ぼすことを防ぐ、という目的があることを知った。

そうした「食の裏側」的な現実は、当時の僕には目から鱗だった。それまで無意識に暮らしていたことがとても罪深いことのように思えた。それまではジョンレノンに影響を受け、世の中に貢献することがしたいけど何をしたらいいのかわからないと思っていた。しかしベジタリアンやオーガニックの考え方をきっかけに、特別なことをする必要はなく、自分の生活を変えていくことが世の中を変えていくことにつながるんだと思うようになった。

そして僕はベジタリアンの真似ごとをはじめた。大好きだったハンバーガーもラーメンも我慢した。自炊はもともと好きな方だったが、その女性に気に入られたくて野菜料理を頑張って覚えた(笑)。玄米を食べはじめたり天然酵母パンを買いに走ったり。学食ではうどんかそばか鯖煮定食を食べた。そんなことをしていたら体重が8キロ近く落ちて50キロくらいになった(笑)。その頃が人生で一番痩せていた。

今はベジタリアンではまったくない。もちろん野菜は沢山食べるし大好きだけど、お肉もたくさん食べるしファーストーフードもジャンクフードも食べる。というかむしろかなり好きだ(笑)。当時はまだ若かったのと、とかく影響されやすい性格だったのでオーガニック的生き方をしなければならない!それが絶対正しいんだ!とのめり込んでいった。文明社会、資本主義社会は地球環境を破壊している、それに乗っかってはいけない、違う生き方をしなければいけないといった感じだった。僕は何も知らずのうのうと生きていたのか・・と思うと自分の暮らしを全否定したくなってしまい、またまた悩みが深くなってしまっていた。

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