blog

大学時代編④ 好きだったパン屋さん

2022.03.11

大学時代編

19歳の頃好きだった女性に、美味しいパン屋さんがあるよと教えてもらったのが一乗寺にある「こせちゃ」さんだった。気に入られたいがため、すぐさまそのこせちゃさんへむかった(笑)。

一乗寺の詩仙堂の近く、自然豊かな場所の住宅街の一角にそのこせちゃさんはあった。こんなところにあるのかというのがまず驚きだった。そして中に入ると優しそうな雰囲気の女性が切り盛りされていた。お店は小さかったが美味しそうなパンがたくさん並び、パンの優しい香りで満ちていた。

何を買ったのかは忘れたが、家に帰って食べた時の美味しさが忘れられない。それまでパンといえばコンビニパンか、パン屋といっても大きいチェーン店でしか買ったことがなかった。コンビニパンも普通に美味しいと思っていたしパンってこんなもんだろうと思っていた。しかしその時食べたパンの味は、それまで食べていたパンとは全然違う美味しさだった。食べた時、ふわ~っとしみじみと美味しさがしみわたるような、心が満たされていくような感覚があった。

丁寧に作られた心のこもった食べ物ってこんなに美味しいのか、とその時はじめて知った。その気づきは、今思えば僕にとっては食の仕事に就くことになる大きなきっかけだった。それからすっかりこせちゃさんのファンになり、よく通うようになった。もう10年以上も前だが、ワンドロップでこせちゃさんのパンを販売させてもらっていたこともある。最近は年に1回くらいしか行けていないが、これを書いていたらまた食べたくなってきた(笑)。また買いにいこう。

TOP