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大学時代編⑦ 長野の有機農家さんへ

2022.03.16

大学時代編

「愛農高校」での有機農業合宿を終え、その足で友人に紹介してもらった長野の有機農家さんのところへ向かった。青春18切符を使い鈍行でゆっくりと向かう電車の旅。途中岐阜の地方駅で野宿しようとしていたら酔っぱらいのおじさんに声をかけられ、ご飯をごちそうになり家に泊めてもらった。いい人だったが、今考えると知らない人についていくのはちょっと怖い(笑)。翌日、目的地である長野県南佐久郡小梅町へ到着。標高1000メートル超えの高原を走る電車から見えた景色がとても綺麗だった。が、疲れていたのかうっかり寝過ごして目的駅を通り過ぎてしまい、初日から遅刻するという失態をおかしてしまった(笑)。

受け入れてくださったのは長野の的埜さんという有機農家さんだった。それまで農家さんというとワイルドなイメージがあったが的埜さんは知的でスタイリッシュでかっこいい人だった。奥様はとても優しい、柔らかい雰囲気の方だった。ご自宅は古い日本家屋でとても趣があり、目の前には広がる畑と美しい山々の景観と澄み切った空気。そうそう、僕のイメージしていた田舎暮らしはこんな感じだと思った。

真夏だったが、標高が高いため朝は寒く驚いた。いろいろなお手伝いをさせてもらった。メインはやっぱり草むしり。炎天下の下ひたすら草むしりは疲れたが、達成感があった。ジャガイモ掘りや収穫作業は楽しかった。そして野菜の美味しさに感動した。採れたてのミニトマトの甘さやきゅうりの美味しさに驚いた。

的埜さんは東京出身で非農家から新規就農。新規就農で有機農業で生計を立てて素敵な暮らしをされていて、本当に凄いなと思った。地域の温泉や観光施設に連れていってもらったり、農作業だけでなく農家さん達の集まりにも参加させてもらったりと、様々な経験をさせていただいた。唯一少しはお役に立てたかなと思うのはお子さんの遊び相手になれたこと。絵本を読んだり一緒にお風呂に入ったり。子供は好きだったので楽しかった。

約10日間ほどお世話になり、帰る時に駅で封筒を渡された。中にはお金が入っていた。いや、こんなの受け取れませんと言ったが「若者は断らなくていい、受け取っていいんだよ」と言われありがたく受け取った。お気持ちがとても嬉しかった。長野から京都へ帰り有機農業の旅は終わった。迷える子羊のような20歳だったが、現場を体験してすこーしだけ自分に自信を持てるようになった。

この後の約6年後、八百屋を開業して2年が過ぎた頃野菜が全然揃えられず困っていた時に思い立って連絡をした。そして快く野菜を出荷していただき、大変助けていただいた。そしてその後、今度は産地廻りという形で妻と一緒に訪問させていただいた。

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