大学時代編⑨ はじめての沖縄旅行
2022.03.18
有機農業の体験や八百屋でのアルバイトを始めた20歳後半。少しずつ自分の考え方の軸になるようなものができてきた。常に悩んでいた10代の煩悶の時期を過ぎ、「やりたいこと見つからない病」もあまり気にならなくなった。「今はとにかくいろいろなことを経験しよう」というシンプルな結論に落ち着いた。
そして一人旅をしてみようと思いたった。当時は2000年代初頭、バックパッカーブーム。インドやタイへの放浪の旅へ、多くの若者が「自分探し」にでかける時代だった。僕もそんな旅に憧れていたが、まずは国内旅行をしようと沖縄へ行くことにした。お金を節約するため「スカイメイト(26歳未満なら搭乗日当日、出発空港に空席がある場合に半額運賃で飛行機に乗れるシステム)」を使った。宮古島行きの便に空席があったのでその飛行機に乗り、行き当たりばったりの旅がはじまった。宮古島へ着くとまず宿をさがし、安い民宿へ泊った。その後ワクワクしながら歩き回り、おばあがやっている小さな小料理屋に入った。隣に座っている常連らしきおじさんに声を掛けられ楽しく飲みあかした。こんな偶然の出会いが面白いと思った。
次の日、どうしても八重山諸島に行きたかったのでまた「スカイメイト」を使い石垣島、そして石垣島からフェリーで竹富島へ。竹富島の美しい赤瓦屋根の沖縄家屋と綺麗な青い海が感動的だった。親がインドア派で子供の頃海で泳いだ記憶がなく、おそらくこの時はじめて海で泳いだ(笑)。遠浅の海で一人ではしゃいでいたが、最高に楽しかった。レンタサイクルで自転車を借り、島を一周し、夜は綺麗な星空を眺めた。安宿ではいろいろな旅人と交流した。その後西表島へ渡り、一人でトレッキングでジャングル探検をしたりマングローブをカヤックに乗って探検したり、シュノーケリングで美しい海を眺めたり、大自然とゆったりした時間の流れを知り感動した。日本最南端の島、波照間島へも行った。その後沖縄本島北部のやんばる地区へ行き、アルバイト先の八百屋の店主の友人である、ドレッドヘアのラスタマンのところへ遊びに行かせてもらった。
約2週間の旅だったがすっかり一人旅にはまった。また沖縄の大自然はもちろん、沖縄の人々の優しさや文化が大好きになった。そんなこんなで大学生活の後半は、八百屋で週3アルバイトをしてお金を貯め、休みになったら旅へ行くという生活になった。