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大学時代編⑪ 南西諸島横断の旅後編

2022.03.22

大学時代編

奄美から沖縄本島へ渡り、沖縄本島をヒッチハイクで1周してみることにした。前回の沖縄旅行は八重山で大自然に触れることができたが、今回はよりディープに沖縄の文化や歴史に触れてみたかった。

ヒッチハイクでは、沖縄の人々の様々な優しさに触れた思い出がたくさんある。ある時はパイナップルパークのお偉いさんに乗せてもらってパークのチケットをもらい、パイナップルパークで遊ばせてもらった。またある時は若いお兄さんにハンバーガーを奢ってもらい、その後戦争時代の避難壕に連れて行ってもらいそこで実際にあった辛い歴史を教えてもらった。北部のやんばるでは有機農業をはじめたばかりのお弁当屋さんに出会った。部屋にも泊めてくれ、気になっていた阪神戦の試合も見せてくれた(この2003年阪神18年振りの優勝)。そして「街の方へ行ったら僕の弁当屋によりなさい、お店に連絡しておくから」と言われた。その後実際にそのお弁当屋さんに行って事情を話すと、お店の方はお弁当やらおかずやらをたくさん持たせて笑顔で送り出してくれ、とても感動した。他にもほとんどの人が「これを持っていきなさい」と何か渡してくれるような優しい人ばかりだった。

米軍基地とその周辺の街コザに行き歩いて廻った。コザはリトルアメリカといった感じで英語の看板が並び、どことなくノスタルジックな雰囲気があった。米軍基地の問題についてとても考えさせられた。ひめゆり平和祈念資料館へも行った。沖縄戦の悲惨で凄惨な歴史、若い女生徒の方が次々と亡くなられていく様がありありと展示され、とても心に刺さるものがあった。また語り部の方のお話も聞き、こんなことが二度とあってはならないと強く思った。美ら海水族館では大きなマンタを見た。那覇では第一公設市場を歩き独特のアジアンな雰囲気を感じた。ある時は民宿に宿泊中、宿の前で突然エイサーがはじまった。一糸乱れぬ踊りと太鼓の音と掛け声はとても迫力があった。沖縄に根付く民衆の文化の底力を垣間見た。北から南へ約10日程かけてぐるっと一周して、最後は「粟国島」へ渡った。この島では同じ大学の友人が民宿で働いていてそこに遊びに行った。海と空が最高にきれいな島だった。

そんな感じで沖縄への旅は終わったが、この旅であらためて沖縄が大好きになった。沖縄に根付く優しさやおおらかさ、歌や踊りなど文化の豊かさに惹かれた。しかしそれと同時に「ウチナンチュ」として、沖縄だけに米軍基地が集中していることや戦争で沖縄に甚大な被害をもたらしたことなどを思い、とても申し訳ない気持ちになった。それからも何度か沖縄へ旅をし、自分には何もできないが沖縄へはずっと関心を寄せ続けている。次はまたいつか子供達を連れて家族で旅行してみたい。

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