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開業準備編⑤ 超高級住宅街でまさかの開業

2022.02.19

開業準備編

「奇跡のひとしずく」で出会った、まさかの提案をしてくださったTご夫妻。
後日改めてご挨拶に伺った。

本当に八百屋をやらせていただいても大丈夫なのか・・・
お酒の席の勢いで言われたことで、後で気が変わられていたらどうしよう・・・
そんな不安も少しはあった。

たどり着いたご自宅は、俗に「社長通り」とすら言われる京都でも有数の閑静な高級住宅街だった。そして超立派な豪邸。こんなところで八百屋をやって大丈夫なのか・・ますます不安になった。

ご自宅に通していただき挨拶をする。
「本当に八百屋をやらせていただいてもいいのでしょうか・」
「もちろん!応援したいから」(神)
「あの、お家賃や電気代は少しはお支払いさせていただきたいのですが・・」
「いらない!だいじょうぶ!」(神)

うん、マジ神(笑)。本当の成功者、人格者とはこういう方なのだと知った。こんな方に応援していただけるなんて、ありがたいやら恐縮やら、でも頑張りたいと思った。

そして実際に八百屋となるガレージを見せてもらった。「僕は自転車の方が好きだから、車は乗らない。いらないと言ったのに工務店がガレージを作っちゃったから」と言われたそのガレージは物置になっていた。広さは十分だった。シャッターは電動式。そして道路との間には3メートルほどの軒先スペースがあった。「いいものがある」と持ってきてくれたのは緑の帆布製の大きなパラソルだった。広げるとマルシェ感があり、とてもイメージがよかった。閑静な住宅街なので人通りは少ないが、こんな場所でやれるなんて心底ありがたいと思った。

「そうだ、トイレはこっち」といって裏口に案内された。そこにあったのはなんと「おがくず式くみ取りトイレ」だった。用を足した後におがくずを入れることによって臭いがしなくなる。「いっぱいになったら、こっちの庭のコンポストに入れて」といってさらに裏庭に案内された。そこには、もともとテニスコートであったものを畑に変えたという自家菜園が広がっていた。「便は寝かせて畑の堆肥にするから。江戸時代のやり方だね。それから売れ残った野菜もここに入れていいよ」と言われた。Tさんは環境問題や資源問題を憂い、これからの生き方を見直さなければいけないという考えでライフスタイルを変えられた。会社を経営されながら、ご自身で有機農業を実践されていることに本当に驚き、尊敬の念を抱いた。そして感謝の気持ちを込めて、ありがたく便を畑に還元させていただきたいと思った(笑)。

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