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ついに開業!シャッターオープン!

2022.02.23

開業準備編

いよいよ開業日が差し迫った前日夜。準備は佳境を迎えていた。釣銭を用意して、陳列のレイアウトを決めて、レジの使い方を練習した。そして夜中まで農家さんの紹介ボードを作った。大きな模造紙に「ONEDROP FARMAERS」と書いてそれぞれの農家さんの写真を貼り、その人柄やこだわりを書いた。前日にわざわざやらなくても・・と今なら思うが、どうしても農家さんの想いを伝えるツールを用意しておきたかった。

そして迎えたオープン当日の朝。5時すぎに起きて若手農家3人衆の待つ伊賀へ、妻と一緒に仕入れに向かった。向こうについたのは多分8時過ぎ。仕入れた野菜はサニーレタス、葉にんにく、他は葉物野菜が中心だったかな。そして会話もそこそこに、急いで帰路に就いた。オープン予定は11時だった。順調に帰れたとしても10時過ぎ。あまり時間に余裕はなかった。にもかかわらず、帰り道で道に迷ってしまった(笑)。あれ、行き止まりだ、やばい間に合わない!軽くパニックになってしまった。当時はまだ運転にもあまり慣れておらず下手くそだった。

やっとの思いで店に戻ってきたのは11時ギリギリか、ちょっと過ぎていたかもしれない。急いで車から荷物を卸して野菜を並べた。そして慌ててシャッターを開けた。本当は、もっと気持ちを落ち着けて始めたかったが、なんせ未熟者でバタバタのテンパりまくりだった。

シャッターを開けると、すでに数人のお客様が待ってくださっていた。そしてその中には、あの日Tご夫妻と出会ったお店の女将さんも来てくださっていた。その姿を見た時少しウルっときた。妻も泣いていた。気を取り直してお客様の応対をするが、最初は緊張のあまり声が出なかった。「いらっしゃいませ」「ありがとうざいました」が出てこないのだ。すべて手作りの棚や木箱。手書きの模造紙の農家さん紹介ボード。そして粗削りな野菜たち。当時の自分たちなりに一生懸命作った店だったが、むき出しの自分をさらけ出しているようで、こんな変な店をどう思われるかという不安や恥ずかしさがお客様を前にして出てきた。しかし徐々に本当に八百屋をやっているんだ、そしてお客様が来てくれているんだという実感が湧いてきて、嬉しい、頑張らなきゃという気持ちになった。

両親や親戚、そして前職の八百屋のオーナーからも花が届いた。地域協定のこともありあまり目立つ場所に飾れないのが残念だったが、多くの人がお祝いして応援してくれていることがとても嬉しくありがたかった。

その後のその日のことはあまり覚えていない。多分必死だったんだと思う。チラシをポスティングしたり、いろいろな人が口コミで広めてくれたおかげか、初日は結構たくさんのお客様がきてくださって感動した。売り上げは5万円くらいあったと思う。ただこの後、この初日の売り上げ記録を更新するには半年以上かかったが(笑)。店を閉めた後、妻は「よかった・・よかった・・」としんみりと言って泣いていた。そうして長かった1日が終わった。

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