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無農薬だからいいってわけじゃない

2022.01.14

考え方

店をはじめた15年以上前からずーっと思い続けてたまーに小出しにしてはいることだけど。15年前からずーっと無農薬野菜を売り続けてはいるんだけど。

やっぱり言いたい。無農薬だから安全安心とかマジそんなわけないから~!!って言いたい。

そりゃ農薬を一気飲みしたら多分死ぬ。でも塩を1k丸のみしたって多分死んじゃう。醤油を一気飲みしても病院行きで重体。でも誰も塩は危険だ、醤油は危険だっていうのを農薬と同じテンションでは言わない。

まあ、塩分とりすぎには気を付けましょうね~って感じくらい。
農薬だってそれでいいじゃないの、農薬のとりすぎには気を付けましょ~って(笑)。

そもそも農薬を取りすぎリスクなんて、塩分とりすぎリスクに比べたら比較にならないくらい低いリスク。農薬の許容量ってめちゃくちゃ厳しめに設定されている。これくらいの量を毎日とっても影響ないよ・・って量のさらに100分の1の量が残留農薬基準にされている(もちろん子供でも赤ちゃんでも)。そのくらい厳しい基準のうえに、残留農薬検査をしても約7割の野菜が残留農薬自体を検出しない。つまり農薬を使うことと「残留」しているかどうかっていうことは全然意味が違う。7割が残留していないなら無農薬野菜と一緒。残りの3割は検出されてもごく微量。

40年前、50年前と同じテンションで複合汚染だ~農薬が危険だ~とか言っているのもおかしい。その時代から農薬の安全性はどんどん進化して、昔の農薬に比べ格段に毒性が低くなっている。

日本は単位面積あたりの農薬使用量が世界一だ~、だから危険だ~みたいな煽りもよく聞く。あのね・・・例えば日本とアメリカと農業のやり方全然違うから。東京ドーム何個分どころか東京都まるごとくらいの広大な農地に、じゃがいもとか小麦が一面にザザーって栽培されてるのアメリカは。そんな広大な面積に、いちいち農薬丁寧にまいてられますかという話。しかもそもそも遺伝子組み換えとかで病害虫に強い品種に改良されていたり。気候だって日本のように高温多湿じゃない。日本は山間に挟まれた小さな畑にハウスをたてて、こんな高温多湿の環境の中でほうれん草作ったりトマト作ったりしている。そりゃあ単位面積あたりの農薬使用量は増える。でもだから危険だ~ってのは話が飛躍しすぎ。

「農家は自家用は農薬を使ってない野菜を別で育てている・・自分の出荷している野菜は農薬まみれだから食べない・・」とかいう謎の都市伝説(笑)。んなことあるかーーーい!!!って言いたい。例えばきゅうり専業農家だったとする。出荷用にはきゅうりばっかり作ってるわけで、毎日きゅうりばっか食べるの飽きるし食べない・・ってただそれだけのことでしょ(笑)。そのきゅうりのはね品とかB品、嫌っていうくらいきっと農家のみなさんは食べてますよ。でも普通に他の野菜も食べたいでしょ。農家やってるわけだし、野菜買うのさすがにあほらしいし土地はある、だから自家用の野菜はちょこちょこと家庭菜園みたいな感じで作る。で、それは無農薬かもしれない、だって農薬使うのめんどくさいし見た目とか気にしないし採算度外視だしね・・っていうのが多くの農家の風景だろう。

正直僕は農薬がどうとか気にして野菜を全く食べていない。もちろん家族にも一切そんなことは気にせず食べさせている。味だって下手な無農薬なんかよりよっぽど美味しい。健康面でいうなら、量をたくさん食べる、旬のものを食べる、新鮮なものを食べる。何より味しい野菜を食べる。これでほんと十分。農薬なんてとるに足らなすぎるリスク。

むしろ農薬以外にも農産物のリスクはたくさんある。農薬を使わないことで、病気や虫に負けて弱った野菜は元気がない。そういう野菜は野菜の体内で自ら農薬に似た成分の毒素を生成している場合もある。肥料過多で硝酸窒素過剰になると、とても有害になる。それは化学肥料だけでなく有機肥料でも起こりうる。無農薬だからって食べていても体には決していいわけではない。

健康になりたい、安全なものを子供に食べさせたい、という理由だけで無農薬野菜を選ぶのははっきり言って意味がない。安全性はスーパーで買っても自然食品店で買っても一緒。無農薬だから安全安心だよっていう売り方はしたくない。無農薬を買ってもらいたかったらそういうことじゃなくて、中身でガチンコ勝負していくしかない。

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