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とうもろこし物語

2018.07.19

野菜いろいろ

<こんなとうもろこしがいい!>

粒がパンパンに詰まっている。それでいて粒が固くなっていたり水分が抜けてぼそぼそになっておらず、ジューシーで食感がやわらかい。甘さととうもろこし独特の香りが濃い。

<そんなとうもろこしを売るために>

まず鮮度。とうもろこしは特に収穫してから時間が経つほど甘みが落ちる。また水分も抜けていく。本当は朝採り即販売が理想だが、仕入時間の問題上なかなか難しい。なので前日に収穫したものを仕入れるが、その日中に売り切ることを目標に毎日仕入れる。

<ここが難しいよとうもろこし!収穫時期がシビア>

とうもろこしは、収穫時期によって味が変わる。早採りしすぎると未熟で甘みが薄く、採り時を過ぎると甘みはあっても食感が悪くなる。農家さんには、できるだけベストのタイミングで収穫をしてもらいたい。

<八百屋泣かせやで、とうもろこし!品質や入荷が安定しないことが多い>

先端部分に実が詰まっていない(先端不稔という)。先端部分に虫食いがある。時には横から穴をあけて虫が中で暮らしている(特に無農薬栽培に多い)。

粒がペコっとへこんでいる。ひどいものは乾燥してカッピカピになっている。(過熟、もしくは鮮度が悪い)

獣害、鳥害をうけやすい。鹿、イノシシ、サル、カラス、アライグマ、ヌートリアなど・・。「食べられてもうた。出荷できへん。」という連絡多し。

いきなり終了する。「とうもろこし収穫イベントやったからもうなくなっちゃった」みたいなのもあり(笑)。

大雨、台風で倒れて収穫できない‥

<市場で買うとだいたい美味しくない>

基本は農家さんから直接仕入れて販売しているが、どうしても次の圃場の収穫まであと1週間かかるといった事情で、入荷が途切れてしまうことがある。そんな時は中央市場で仕入れるが、だいたい市場のとうもろこしであまり美味しいものに当たったことがない。見た目は立派。3Lサイズとかが多くて、大きく粒もしっかりしている。が、甘みが薄いものが多い。やっぱり流通に時間がかかるのと、入荷してから市場の中で数日寝ている場合もある。またその間の保管状態にも多少関係があるのではないかと思う。

<ワンドロップの仕入れているとうもろこし>

ワンドロップでは5月のゴールデンウイーク明けからとうもろこしを販売している。5月というとちょっと早い?と思われるかもしれないが、暦ではちょうど立夏のころ。この時期は宮崎のハウス栽培のとうもろこしを販売している。生産者の方から直接送っていただいているので鮮度はよく、味も甘くて美味しく、品質もだいたい安定している。それが6月初めまで。

6月10日頃からは、京都の地物が出始める。主に2件の農家さんと取引しているが、いずれも小規模農家さんなので収穫があまり安定せず、途中でどうしても途切れがちになってしまう。それと大きさが大小ばらつきがあるのと、たまに少々未熟or過熟の時があるが、基本的には鮮度がよく美味しい。その他ホワイトコーンも少量ずつだが作っている方がいるので不定期で入荷。

7月中旬からは長野。ワンドロップが契約している長野のとうもろこし農家さんは10ヘクタール以上の大規模で栽培されているとうもろこし専門の農家。品質、味、量ともに安定していて大変助かる。送料は結構かかるが、スケールメリットでもともとの単価が安いので1本あたりの仕入れ値は結局安い。その長野のとうもろこしが9月の中旬くらいまで続いておわり。

<とうもろこし物語のまとめ>

10年前くらいの夏、とうもろこしについてまだよく知らない八百屋を始めたばかりの頃トウモロコシで大失敗をした。近郊の農家さんから仕入れたとうもろこしの皮を剥いてみると、中がスッカスカのカッピカピになっていた・・。それに気づかず、チェックをせずに販売してしまっていた。とうもろこしは、こんなにリスクがあるのだとその時思い知った。その時のお客さんには本当に申し訳ないことをしてしまったと思っている。

それ以降もとうもろこしにはいろいろと悩まされた。未熟だったり過熟だったり、虫喰いだったりといろいろなとうもろこしの品質不良を経験した。そのおかげでだいぶチェックすべきポイントはわかってきたけれど、それでも今だに理想の仕入ができずに悩まされることは多い。

そんなとうもろこしだが、とにかく人気があってよく売れる。大人も子供もとうもろこしは大好きだ。最近のとうもろこしは品種改良が進んでいて、甘くてやわらかい品種がたくさんある。特にワンドロップのように、季節の野菜に注力して、そこで差別化をしたい店にとっては夏には欠かせない主力アイテムだ。だからこそ、味にも品質にも鮮度にも特にこだわって販売していきたい。

来年への課題は、やっぱり宮崎と長野の間の地物の強化。京都や滋賀でもう少し安定して入荷できるようにしたい。そのために来年にむけてまた農家さんと打ち合わせをしなければ!!

 

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