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企業理念を作ろうと思った訳

update:
2018.5.9
category:
経営

今年の510日でワンドロップは創業12年になります。創業当初の想いは、「八百屋をやることで有機農業に貢献したい。生産者の力になりたい」でした。そして店の取り扱いのコンセプトは、「無農薬のもの」「できるだけ近場のもの」「誰が作ったのかわかるもの」「季節のもの旬のもの」の4つでした。

そんな夢と理想と使命感に燃えていた創業当初でしたが、もちろん現実はそんなに甘くはなく、幾度となく壁にぶちあたり砕け散りそうになりました。悪戦苦闘の日々の中、理想はいろいろあるけれど、とにもかくにも「八百屋で生計を立てられるようになる」ということがこの12年間の自分たちの最大の目標でありました。 

はじめは民家のガレージで、知り合いになった数件の若手有機農家の野菜を仕入れることからはじめました。彼らの野菜を仕入れるために、三重県の伊賀まで片道2時間かけモロヘイヤ10束とその他少々だけを仕入れに車を走らせたりもしていました。今となっては若かりし日のいい思い出です。

日本中の生産者を訪ね廻ってあちこち飛びまわっていた時期もありました。夫婦二人で、軽バンで長野を縦に横断して新潟県の魚沼まで抜け、そこから日本海側を通って福井県の味噌屋さんによって帰るという無茶なことをしたこともありました。もう9年前のことですが、それもまた今となってはいい思い出です。

またある時は、「無農薬や減農薬の産直野菜」縛りによる品揃えと値段に限界を感じ、意を決して中央市場に突撃をしました。そこでまた新たな世界が開かれ、今までなかった野菜や果物との出会いがありました。既存の市場流通に対するアンチテーゼとしての八百屋としてはじまったはずなのに「市場サイコ―やん!」とあっさりテノヒラクルーしてしまいました。その頃は毎朝市場に通っては品物探しに勤しんでおりました。

こだわりショップや!ええもんを売らなあかんのや!と高級路線に走って高いメロンやマンゴーを並べてみたこともありました。

一流レストランに買ってもらって鼻タカダカや!とレストランが喜びそうな珍しい野菜をやたらと取り揃えてみたこともありました。

野菜だけじゃ売上が足りないからと、肉も豆腐も牛乳も餃子も焼売も冷麺もお菓子もパンも、これでもかと商品を増やしました。

そんな様々な変遷を経てきたワンドロップは、よく言えば「お客さんの要望に合わせ柔軟に変化した」ともいえますが、早い話がブレブレです()。でもそうやってブレまくっていろいろなことにトライしてみたおかげで、失敗や無駄に終わったことも数限りなくありましたが、その一つ一つが血となり肉となり、何とか八百屋として生計を立てられるようにはなりました。また際限なく取り扱い商品の幅を広げてきたものの、顔が見えて人柄も知っている農家さんの、できるだけ無農薬や減農薬の野菜を中心にすることはずっと続けてきました。

そんな時代を振り返り今思うこと。それは「自分たちが本当にやりたいこと、売りたいものとその値段」と、「お客さんが求めているものとその値段」は往々にして一致しないということです。「オレの理想の追求。オレの売りたいものしか売らない」というオレ流で受け入れられるお店も世の中にはあります。でもうちの場合、なんせ扱っているものが薄利多売の野菜なので、ある程度は幅広くお客さんに来ていただかないといけません。その一方で、お客さんが欲しいものをなんでも取り揃えていたら、極端な話、はいサランラップどうぞー、はいトイレットペーパーはこちらです~、はいお弁当温めます~と、究極はコンビニのような店になってしまいます。中途半端なコンビニで本家コンビニに勝てるわけがありません。そこがお店の難しいところです。つまりお店を運営していくためには、「自分たちのやりたいこと」と「お客さんのニーズ」をできるだけすりあわせ、その両方のバランスをとっていくことが大事ではないかというのが、いろいろと迷走した12年の末の結論です。

12年かかりましたが八百屋で生計を立てるという目標は、一応クリアしました。それから法人化もして株式会社になりました。そして今あらためて、自分たちの軸って何やねん?本当は何がやりたかったんやっけ?ということを見つめ直しました。これから先はもう迷子にならず、ブレずに進んでいくために、いや多少ブレても戻ってこられるように()、ちょっと堅苦しいですが企業理念というものをきちんと作ろうと思いました。

そんな企業理念を次回は発表したいと思います。

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