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八百屋の悩み

update:
2019.6.29
category:
経営

うちの店の課題は、7月と11月がヒマになってしまうこと。

7月は夏野菜の最盛期。11月は秋野菜の最盛期。

生産者からは、あちこちから野菜がたくさんできてきたよーって声がかかり、よっしゃたくさん売るぞ!って気合が入るのに、そういう時に限って店がヒマになる・・。

これはまあ冷静に考えれば当たり前の話で、うちの生産者がみんな野菜をモリモリ出荷しているときは、他の生産者もみんな出荷最盛期を迎えている。そのため市場価格も安くなる。家庭菜園などをされている人も野菜がたくさん採れて近所の人におすそ分けをしたりする。また有機系の宅配野菜セットの中身もその時期は充実しているのだろう。日本中で野菜が飽和状態になりがちなのだ。

品質のいい旬の野菜がいっぱいあって、値段も手ごろで、生産者のためにも少しでもたくさん売りたいのだが、思うように売れない・・。

逆に4月や9月とか端境期で四苦八苦しながらあちこちから野菜をかき集めて、値段も高め、市場の相場も高め・・というときに限って客足が増える。天候不良や台風などで野菜が高騰するときに限って、普段来ない飲食店の人が突然現れて大量買いしていったり。

豊作貧乏とはよく言ったものだと思う。豊作で品質もいい時ほど売れない。不作で品質もいまいちの時ほど相場は高値。

店舗ビジネスである以上、需要と供給のバランスで成り立っているわけだからある程度は仕方ない。野菜セットで配達をするか・・とか飲食店をやるか・・とかいろいろ考えることは考えるけど、なかなか自分たちのリソースで実現可能で現実的なプランが浮かばない。現状は店頭で少しでも販売量を増やす地道な努力をするしかない。

 

 

 

 

 

店づくり

update:
2019.6.19
category:
経営

お洒落な八百屋と言ってもらえることがある。それはそれで嬉しいのだが、自分としてはお洒落八百屋だとは全く思っていない。お洒落な店ならもっと他にたくさんある。うちはむしろお洒落になりきれない店だと思っている。

素晴らしい建築家の方に設計をしていただいたので、内装、外装はとても素敵にしていただいた。そこには自分たちの夢や理想が詰まっている。それが店の雰囲気の根幹を作り、普通の店とはちょっと違うということを無言のうちにお客さんにアピールしてくれている。

でもその一方で、自分的には「お洒落にしすぎない」「高級にしない」ことはかなり意識している。お洒落すぎると、特にこの京都市北区という、どちらかといえば保守的な町では受け入れてもらえない。また比較的裕福な世帯が多いエリアだが、価格には非常にシビア。デパートや高級スーパーと同じ値段ではまったく買ってもらえない。そういうことを店を続けるうえで肌で感じてきた。

お洒落すぎることによって、「なんか入りにくい」「高そう」「こだわり強すぎて合わなさそう」など、お客さんのなかにハードルができてしまう。高級な美容室や洋服屋なら、あえてそういうハードルを作って、特別感を出さないといけないのでそれでいいのかもしれない。でもうちはあくまで町の八百屋、特別な日の店ではなく日常の買い物の店。扱っているものが生鮮という特性上、とにかく目の前の人、近所の人に買ってもらって商品の回転を良くしていかないといけない。

そんなわけで、極力お洒落になりすぎないように、あえて脱力感というか庶民感を入れるようにしている。例えばポップ。黒い紙に白いペンでスラっと雑貨屋風にお洒落にポップを書いていたこともあったが、今では黄色い大き目の紙にデカデカと赤いマジックで「本日のセール!」とか「特売!」とか書いて町の八百屋感を出している。また価格も有機栽培やこだわり栽培のものだからといって高付加価値野菜として高く売るのではなく、あくまで日常的に食べてもらえる価格帯、スーパーよりちょっと高いくらいに抑えている。こだわり系だけでなく、市場で安く仕入れることができた果物なんかは特売にして、コンテナひっくり返して店の外に山盛りに陳列して薄利多売。

そうした全然スタイリッシュではない非おしゃれ感がなんとなくワンドロップらしいと思っている。お洒落な店を演じなければ・・というのはすごく疲れる。若いころはカッコつけたい気持ちももちろんあったが、今となってはかなりどうでもよくなっている(笑)。等身大で、ありのままの自分でいれる方が自分としても仕事をしていて楽だ。

以上、お洒落になりきれない店のいいわけでした。

 

 

中央市場

update:
2019.6.8
category:
店主のブログ

今日市場から仕入れたゴーヤ、箱の下の段に入っていたものにカビが生えていた。結局10本くらい捨てた。

市場から仕入れると、時々こういうものをつかまされる。

レタスなんかもひどいもんだ。16個入りのうち、必ず1個か2個はロスにしないといけない。

お世話になってるし、品揃え上頼らざる得ない部分もあるが、それにしてもなんだかなぁと思うことは多々ある。

とにかく鮮度が悪すぎる。そもそも市場にたどりつくまでに時間がかかりすぎるし、そのうえ市場のなかで在庫として数日置かれる。管理状態も悪いし検品なんてしていない人がほとんど。単に箱を右から左へ横流し。

働いている人の仕事の効率も恐ろしく悪い。伝票を手書きで書くだけの人、レタスとブロッコリーだけが担当の人、人参とじゃがいもだけが担当の人、モートラで配達するだけの人。狭い中で仕事が縦割りで分断されていて、野菜の値段ひとつ聞いても「そんなん俺は知らん。あっちに聞いて」とか「○○さん帰ってくるまでまっといて」といちいちたらいまわしにされて無駄に時間がかかる。それくらいぱっとわかるようにしといてよ、何年やってんの。っていいたくなる。

スポーツ新聞読んで煙草吸って、たむろしてだらだらとだべっているやる気のなさそうな人がやたら目につく。野菜市場を取り巻く現状は切迫しているはずなのに、まったく現状を改善しようという気概が見えない。それを見ているだけでイライラしてくる。

できるだけ市場に頼らず仕入れをしたいが、品揃え上どうしようもないものは頼らざるえない。また果物は産直はほんとに難しいので、市場仕入がメイン。

個人個人は悪い人ではないし、頑張っておられる方もたくさんいらっしゃると思う。ただこの旧態依然とした体質というか雰囲気をなんとかしてほしい。

 

なぜ無農薬を選びたいのか

update:
2019.6.5
category:
店主のブログ

今日来られたお客さん。

「このキャベツは無農薬ですか?」

「いえ違います。」

「えー。。じゃあいいです。」といって帰って行かれた。

残念なお気持ちにさせたのは申し訳ないが、うちの店は無農薬だけを売っているとはどこにも書いていない。

品揃えを維持するためには、中央市場からも普通栽培のものを仕入れている。

また野菜のポップには「農薬不使用」「特別栽培」「普通栽培」など、最低限の栽培方法の情報は書いている。

しかも旬のもの、例えばいまならそら豆、エンドウ豆、モロッコ豆、スナップエンドウ、ズッキーニ、フリルレタスや葉物類、玉ねぎ、などは無農薬や有機JASのもので取り揃えている。しかもできる限り近場のもので。

無農薬野菜のが欲しいのなら、せめて季節のものを選んでほしい。

この蒸し暑い季節に、キャベツやら大根やらレタスやらが無農薬で簡単にはできない。日本は高温多湿でヨーロッパのような冷涼な気候ではない。北海道や長野から1箱2000円の送料で仕入れて、1個600円でキャベツを売って、みんなが買ってくれるなら売るが。そんなことまでして年中無農薬のキャベツを売ることに、あまり意味を感じない。

そもそも、なぜ「無農薬」を選びたいのか?

農薬が体に悪いから。

ガンになるのが怖いから。

子供に安心して食べさせたいから。

それらが悪いとは言わないけど、「自分や家族の健康のため。安心安全のため」だけしか考えていないのなら、あまりに利己的すぎないか。

日本人の多くは、「無農薬=高付加価値野菜」だと勘違いしている気がする。「無農薬」というだけで、美味しいわけでも栄養価が高いわけでも、安全性が高いわけでもない。むしろ農薬を適正に使用した方が、美味しく安全なものができる場合もある。

有機野菜の本当の価値とは、農薬や化学肥料に依存せず、自然環境に負担の少ない持続可能な農法で育てられた、という点だ。僕はその有機農業の考え方を支持しているから、有機農家をできるだけ応援したいと思って無農薬野菜を売っている。安心安全だからという理由で売っているわけではない。

普通栽培の野菜だって、一生懸命、生産者の人がまじめに作った野菜であり、農薬も厳しい安全基準が設定されているし、30年前に比べたら農薬の安全性は格段によくなった。どうしてもお好み焼きでキャベツが必要なら、普通栽培のキャベツで十分だ。自然環境への負荷という点では無農薬の方が いいが、人が食べる分には十分、安心安全だ。

どういう理由であれ、無農薬野菜を選んでもらうことで有機農家の支援にはなる。だが、有機栽培の本当の価値ということにも目を向けてほしい。そして普通栽培の野菜を下卑しないでほしい。

 

 

 

 

週5日営業

update:
2019.6.3
category:
経営

2018年2月より、定休日を日、月の週2日として営業は週5日にした。

また2019年からは、開店時間を30分遅くして、11時~19時までにした。

普通に考えると、営業日数や営業時間を減らすことは売上減につながるリスクがあるので怖い。なかなか踏み出せなかった。

それでも短くしたのは、長い目で見るとその方が自分にも店にとってもいいと思ったから。

働き方改革とか言われているけど、経営者や自営業者のことは全く無視されているような気がする。まあ自営業は自分の体と時間の切り売りみたいなものだけど、長く続けていくためにはいつまでも若いころと同じようには切り売りしていられない。家族も増え、子育てや家族の時間も大切だ。かといって営業時間を維持するために雇用を増やすほどの余裕はない。そんな思いから、たとえ売上が落ちたとしてもいいやと思って定休日を週2日にした。

その結果は・・売上が落ちるどころか前年の売上を超えることができた。週6日に分散してきていたお客さんが、週5日の営業日の間に来てくれて、お客が減るということはほとんどなかった。1日の来店客数が増え、「ヒマな日」というのが少なくなっていつも店に活気があり商品の回転がよくなり、売り場の鮮度がそれまで以上によくなった。それがまた新しいお客さんを呼び、売上増につながっていったのだと思う。

週1回の休みでは、完全に仕事から離れるということはほぼなかった。休みの日にしかできない用事をしたり、産地に行ったり、夜は仕入れにいったり・・。でも休みが2日あることで、日曜日は完全に仕事から離れてオフで家族と過ごす時間ができた。月曜日は、日中は仕事はしないが、夜は仕入れにって、店に行って翌日のオープンの準備をしたりしている。2日休みといっても実質1.5休みだが、それでも以前は0.5休くらいだったので、だいぶ楽になった。その結果、自分の仕事のパフォーマンスもよくなっているのだと思う。

24時間営業や正月営業をやめるところが増えてきたみたいだが、どんどんそれが当たり前になってほしい。世の中あまりにも、サービス過剰になっていると思う。

 

 

 

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